学校ブログ「カリヨンの調べ」アーカイブス

2018年3月の記事一覧

卒業式です 横田No,243

   

 都合により掲載が1日遅れとなり、申し訳ありませんでした。

 朝8時過ぎから激しい雨が降り出しました。生徒・保護者の皆さんは雨の中大変だっと思いますが、来校した車を、本校職員がかっぱを着て懸命に誘導にあたり、なんとか駐車させることができ、卒業式が予定通り始まりました。
 式の途中は体育館の屋根を激しく打つ雨の音が響き、校長式辞はその音でかき消されそうでした。今年の卒業式も厳粛にそして暖かい雰囲気の中で行われ、卒業生代表の答辞には胸を熱くさせられました。富谷高校の卒業式は最高です。
 終了する頃にはそれまでの激しい雨が嘘のように、青空が広がっていました。
 終了後担当の生徒による後片付けが始まり、あっという間に元どおりの体育館となりました。準備もそうでしたが、後片付けも実に見事なものでした。
 写真で紹介することはできませんでしたが、1日夜に開催された卒業祝賀会での3年生の先生方のお話は、とても心温まるもので富谷高校の素晴らしさを改めて感じるものでした。これがあるから教師はやめられないし、教師だけしか味わえない特権です。また、明日から頑張ろう!

 校長式辞全文を紹介します

平成二十九年度 卒業式 式辞
 流れる季節の真ん中で ふと日の長さを感じ 三月の風に想いを乗せて 桜のつぼみは春へと続きます とレミオロメン三月九日の歌詞にあるように 日の長さに光の春を感じ 三月の風に春の息吹が感じられ、体育館の屋根に響く雨の音も、皆さんの旅立ちを祝福するメロディーのように聞こえる 今日ここに、
 富谷市長 若生裕俊様、富谷市議会議長 相澤榮様、富谷市教育長 菅原義一様をはじめ、多くのご来賓の方々、並びに保護者の皆様のご臨席の元、宮城県富谷高等学校第二十二回卒業式を挙行できますことは、卒業生、在校生はもちろんのこと、私たち教職員にとりましても、大きな喜びであります。関係するすべての方々に、改めて心から感謝申し上げます。
 ただいま、卒業証書を授与いたしました二百六十八名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。いつも温かく見守ってくれたご家族、友達、先生方など多くの方々への感謝の気持ちを忘れず、新しい世界への第一歩を踏み出してください。
 また、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。今日の日を迎え、感慨もひとしおのことと存じます。心からお祝いを申し上げますとともに、皆様のこれまでのご苦労に対して厚く敬意を表し、本校教育に対するご理解・ご支援に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
 卒業生の皆さんにとって、この富谷高校での三年間はどのようなものだったでしょうか。私は二年間だけでしたが、皆さんと接する様々な機会は、そのたびに富谷高校への愛情を深めるものとなりました。代表する生徒会のメンバーは、礼儀正しく行事のたびに校長室にきてくれて、いつもしっかりとした活動で生徒たちをリードしてくれました。三大行事といわれる、体育大会、球技大会、樹咲祭は感動の連続でした。四月、生徒会主催で行われる体育大会は準備から当日まで、その運営の素晴らしさに、初めて富谷高校に着任した先生方が感激し、一年生は富谷高校の雰囲気の素晴らしさを改めて強く感じる行事でした。球技大会はクラスTシャツを着て、クラスのためにあるいはコースや学年のために上級生下級生の垣根なく真剣に熱く燃えて戦いをしました。終了したあとの様子はノーサイドの精神にあるように、笑顔での握手がありました。ファインプレーに互いが称えあう姿は、見ていて胸が熱くなりました。終了後、いつまでも三年生が写真を撮りあっている姿も忘れられません。最大行事の樹咲祭は温かく支えてくれる先生のもとで、楽しさを爆発させてくれました。今回は前日に開会式でパフォーマンスをやりましょうと校長室を訪ねてくれた生徒がいて、開会式に寸劇を披露できたことはいろいろな意味で私にとってのいい思い出です。終了後の後片付けの素晴らしさにも感動しました。後片付けといえば、年何回か実施のワックスがけの時も終了後に先生方と共に遅くまで丁寧に水洗いをしてくれている皆さんの姿にも、富高生の素晴らしさを感じました。
 運動部も文化部も大会にはできるだけ足を運びました。それぞれに新しい発見があり感動がありました。今年は特に 総文祭やインターハイが行われ、関わる部分も多かったですが、中でも、陸上競技部の総体で、その最終競技のマイルリレー決勝は、目まぐるしく順位が変わる中で、最後の直線で他を引き離し第二位になった姿は感動もので今でも目に焼き付いています。大会前に部員から全校応援たのみます、と言われながら実現できなかったのを申し訳なく思いながら、みんなに見せたかったなーという気持ちでいっぱいになりました。なんとか全校応援をという気持ちで、担当の先生にご尽力いただき野球の夏の大会でそれが実現しました。私の最大の夢が叶いましたが、皆さんはどう感じてくれたでしょうか。オリンピックの女子スケートパシュート競技でも、個人ではとてもかなわない選手に、一致団結することで金メダルを手にしたことは記憶に新しいところです。学校も同様にチームとして一つになるということはとても大事なことで、自分たちが持っている力の何倍もの力を出せるのだと思います。様々な場面で気持ちが一つになることの大切さを忘れずにいてほしいと思います。
昨年修学旅行で一緒に台湾に行かせてもらいました。最初はシンガポールがよかったなと言っていた生徒の気持ちを百八十度変えたのは、訪問した高校の千人以上の全校生徒による歓迎の出迎えでした。皆さんにとって貴重な経験になったと同時に大きな財産にもなったと思います。そして、その新幹線の中で同席した生徒が「校長先生のブログ見てると富谷高校好きなんだなあって思います。」と言ってくれた一言は忘れられません。私はみんながいる富谷高校が大好きです。みんなもそうだと信じていますが、これから新しい場所でも自分のいる場所を愛してほしいと思います。毎年本校に収穫した野菜をもってきてくれる幼稚園児がいますが、今回は引率の先生が本校の卒業生でした。その先生が「私この学校大好きなんです」と何気なく言ってくれた一言も忘れられません。忘れられないといえば、こんなこともありました。暑い夏の日に昇降口前で草取りをしている私のところに来て、ペットボトルを差し出してくれた三年生の女子生徒がいました。うれしかったです。また、通学指導のため濡れながら交差点に立っていた先生に傘を差しだしてくれた生徒もいました。ありがとう。そんなやさしさがこの学校にはあふれているのです。好きさこの学校がいつまでも。卒業後も多くの人がそんな思いをもってくれることを期待しています。
他にも、みなさんとの思い出は尽きません。校舎内に響く弦楽や吹奏楽の演奏、元気あふれるダンスパフォーマンス、グランドや体育館に響く運動部の元気な声、笑顔で返してくれる挨拶、一人で頑張り続け復活に導いた合唱部、中庭での楽しそうな姿、校長室前を通るにぎやかな声、どれをとっても癒しを与えてくれるみんなの姿でした。その中でもみなさんがしてくれる笑顔での挨拶は何よりも心をあたたかくしてくれました。オリンピックカーリング女子でも笑顔がもたらしたパワーにははかり知れないものがありました。笑顔は大きな力を与えてくれます。笑顔を忘れずに日々の生活を送ってください。
また、昨年富谷市誕生に際しては、様々な場面で皆さんが中心となって協力してくれました。そのことが富谷市との連携を強いものにしてくれました。本日もお忙しい中で市長様議長様教育長様と三人の方が、そろって出席していただいたことがその証だと思います。お忙しい中ご出席いただきありがとうございます。後輩の皆さんもぜひこの絆をより一層強いものにしてください。
 平昌オリンピックで、本校七回生の高橋弘篤選手がスケルトン競技で出場したことは、私たちにとてもうれしく励みになるできごとでした。高橋選手は競技者として素晴らしいだけでなく、人間としても後輩たちがその背中を見てついていくような優れた方だという新聞記事がありました。オリンピックでは様々な感動をもらいましたが、そんな素晴らしい先輩がいるのだということも私たちの胸に刻んでおきたいと思います。
 オリンピックといえば、NHK冬季オリンピックのテーマソングとして流れていた、SEKAI NO OWARIのサザンカという曲の一節にある、「夢を追う君へ 思い出して くじけそうなら いつだって物語の主人公が立ち上がる限り 物語は続くんだ」という歌詞にあるように、この先、くじけず最後まで夢は追い続けてください。
 最後に、何度もお話ししている稲盛和夫氏が京セラフィロソフィーの中で言っている「利他の心」についてのお話をします。自分だけが良ければいいという利己主義の利己の心ではなく、本校の朝の雪かきにみられるように、自分を犠牲にして他の人を助けようとする利他の心で生きてください。人に良かれという心は視野を広くし正しい判断をもたらし、周りの人も協力してくれます。思いやりに満ちた利他の心を大事にしてください。
 卒業生の皆さんは加藤学年主任の下で強いチームワークを持った先生方に見守られながら、富谷高校が持つ素晴らしい雰囲気をさらに素晴らしいものにしてくれました。最後にもう一度言わせてください。君たちは素晴らしい。そんな皆さんの限りなく健やかで幸多き前途を心からお祈りするとともに、ご多忙の中ご臨席賜りましたご来賓の皆様、保護者の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、式辞といたします。

平成三十年三月一日
宮城県富谷高等学校長 横田 宏明